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従業員の雇用と処遇を守りたいとき
長く一緒に働いてきた従業員の方がこの先どうなるのかは、譲渡を考える経営者の多くが気にかけておられる点です。雇用や処遇は、相手先と取り決めることができる条件の一つです。大切にしたいことを先に整理し、それに合う相手先を探すという順番で考えてまいります。
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はじめに知っておきたいこと
雇用の維持は条件として取り決められます
雇用の維持や労働条件の引き継ぎは、交渉の条件として相手先と取り決めることが可能です。最終契約に明記する形で合意することが一般的ですので、ご意向をお聞かせいただければ、その前提で候補先を選定いたします。
伝える時期は先に方針を決めます
従業員の方への開示は、早すぎると動揺や離職につながるおそれがあり、遅すぎると不信感が残る場合があります。誰に、いつ、何を伝えるかを、あらかじめ決めてから動くことが宜しいかと思います。
譲渡後の説明と対話が支えになります
譲渡の直後は、ご自身の処遇がどうなるのかを従業員の方が気にされる時期です。決まっていないことがあっても、いつまでに決めてお伝えするかを示すことで、不安を和らげやすくなります。
考える順番
- 雇用の維持や労働条件について、譲れない点と、相手先と相談できる点を書き出します。
- そのご意向を最初にお伝えください。前提としたうえで、合う相手先を候補として探します。
- 限られた役員、中核となる方、全従業員という段階ごとに、お伝えする時期の方針を決めます。
- 雇用、給与、体制、変わる時期など、従業員の方が知りたいことへの答えを準備します。
関連する法令・判例(参考情報)
- 法令
民法 第625条(使用者の権利の譲渡の制限等)
使用者は、労働者の承諾を得なければ、その権利を第三者に譲り渡すことができません。
- 法令
労働契約承継法 第3条(承継される事業に主として従事する労働者に係る労働契約の承継)
承継される事業に主として従事する労働者の労働契約で、分割の契約などに承継する旨の定めがあるものは、分割の効力が生じる日に、承継する会社に承継されます。
- 法令
労働契約法 第9条(就業規則による労働契約の内容の変更)
使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできません(第10条の場合を除きます)。
- 判例
東京高等裁判所 平成17年(2005年)7月13日 判決(東京日新学園事件)
営業譲渡で、譲渡人と従業員の雇用契約関係を譲受人が承継するかどうかは、譲渡契約の当事者の合意で定められ、営業譲渡の性質として当然に承継されるものではないとしました。ただし、労働組合の活動を嫌って特定の従業員を排除する目的での不承継の合意は、公序に反して無効となり得るとしています。
法令は2026年10月17日時点の内容です。要旨は当社がまとめたもので、条文・判決の全文ではありません。個別の事案への当てはめは、弁護士・税理士などの専門家にご確認ください。表記の決まりは法令・判例の参考情報と凡例をご覧ください。
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