中小企業庁は、2025年までに平均引退年齢の70歳を超える中小企業・小規模事業者の経営者が約245万人となり、そのうち約半数の約127万人が後継者未定になると試算していました(2017年の試算)。
承継の方法は大きく3つあります。
親族内承継
子どもや親族に引き継ぐ方法です。
利点:関係者の理解を得やすいこと。時間をかけて育成できること。事業承継税制を使えば、相続税・贈与税の納税の猶予を受けられること。
課題:後継者に意思と適性があるかどうかです。本人が望んでいないのに継がせると、本人にとっても会社にとっても不幸な結果になります。また、事業承継税制は承継後も要件を満たし続ける必要があり、取消事由が生じると猶予税額の納付を求められます。
社内承継(役員・従業員への承継)
事業を熟知した役員や従業員に引き継ぐ方法です。経営陣が株式を買い取る場合はMBO、従業員が買い取る場合はEBOと呼ばれます。
利点:後継者が事業の内容を理解していること。従業員や取引先の動揺が少ないこと。企業文化が維持されやすいこと。
課題:最大の壁は資金です。後継者個人が株式を買い取る資金を用意できないケースが多く見られます。金融機関からの借入、持株会社を使った方法、段階的な買い取りなど、スキームの工夫が必要になります。
また、オーナーが個人保証を入れている場合、その引き継ぎも論点になります。
第三者への承継(M&A)
社外の企業に譲渡する方法です。
利点:候補先の選択肢が広いこと。オーナーが創業者利益を得られること。買い手の経営資源を活用して、事業を伸ばせる可能性があること。
課題:相手先の探索に時間がかかること。従業員や取引先への説明が必要なこと。企業文化が変わる可能性があること。
親族内承継
課題:後継者の意思と適性
社内承継
課題:買い取りの資金
第三者への承継
課題:相手先の探索に時間がかかる
比べるには、自社がいくらで評価されるのかを知っておく必要があります。※ 税の個別の扱いは、税理士などの専門家にご確認ください
何を優先するか
どれが正解かは、何を優先するかで決まります。
- 事業の継続を最優先するなら、資本力のある第三者への承継が有利な場合があります
- 従業員の雇用と企業文化の維持を優先するなら、社内承継が向いています
- オーナーの資金回収を優先するなら、第三者への承継が現実的です
そして、これらを比較検討するには、自社がいくらで評価されるのかを知っておく必要があります。社内承継を検討するにも、その金額を後継者が用意できるかという判断が要ります。
決める前に材料を集める
当社では、決めていない段階でのご相談を数多くお受けしています。初回のご相談では、おおよその企業価値、考えられる相手先、価値を上げる余地についてお話しし、費用はいただいておりません。
「動かない」という判断をされることもあります。材料を持ったうえで動かないことと、材料がないまま動かないことは違います。
