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事業承継税制は使うべきか。M&Aとの比較で考える

納税猶予は魅力的ですが、承継後も要件を満たし続ける必要があります。制度の性質とM&Aとの違いを整理しました。

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この記事の要点

  • 事業承継税制は相続税・贈与税の納税を猶予する制度です
  • 承継後も要件を満たす必要があり、取消事由が生じると納付を求められます
  • 後継者の意思と適性が前提であり、税制だけで選ぶ制度ではありません

親族内承継を検討される際、よく話題になるのが事業承継税制です。

制度としては強力ですが、性質を理解したうえで判断する必要があります。

どのような制度か

一定の要件を満たす場合に、後継者が取得した非上場株式にかかる相続税・贈与税の納税が猶予される制度です。

自社株の評価額が高い会社では、相続税の負担が数千万円から億単位になることがあります。納税資金を確保するために自社株を売却せざるを得ない、という事態を防ぐための制度です。

注意すべき3つの点

猶予であって免除ではありません

納税が猶予されているだけで、要件を満たさなくなれば納付を求められます。後継者が死亡するなど一定の事由が生じたときに、はじめて免除されます。

承継後も要件を満たし続ける必要があります

株式を保有し続けること、一定の期間は代表者であり続けることなど、承継後にも継続的な要件があります(雇用の要件は、一般措置と特例措置で扱いが異なります)。なお、特例措置は、特例承継計画の提出が2027年9月30日まで、適用が2027年12月31日までの贈与・相続に限られます。

取消事由が生じると、猶予されていた税額に加えて利子税の納付が必要になります。しかも、それは往々にして事業環境が厳しくなった局面で起こります。

猶予であって、免除ではありません

  • 要件を満たす間相続税・贈与税の納税が猶予されます
  • 取消事由が生じた猶予されていた税額に加えて利子税の納付が必要です
  • 後継者の死亡など一定の事由が生じたときに、はじめて免除されます

※ 税制の適用の可否は、税理士などの専門家にご確認ください

将来の選択肢が狭まります

株式を保有し続けることが要件である以上、後からM&Aで譲渡するという選択が取りにくくなります。

承継した後継者が10年後に「やはり第三者に譲渡したい」と考えたとき、猶予税額の納付が壁になる可能性があります。

M&Aとの比較

事業承継税制を使う親族内承継 M&Aによる第三者承継
税負担 猶予される(要件充足が前提) 譲渡益に課税される
オーナーの資金回収 できない できる
事業の継続 後継者の経営力に依存 買い手の経営資源を活用できる
将来の選択肢 制約が残る 手続き完了で完結する
従業員の雇用 変化が少ない 契約で取り決める

どちらが有利かは、何を優先するかで変わります。税負担だけを見れば承継税制が有利ですが、オーナーの資金回収や事業の成長可能性まで含めると、判断は単純ではありません。

前提として確認すべきこと

前提として確かめておきたいのは、後継者に意思と適性があるかどうかです。

税制が使えるからという理由で承継を決めると、望んでいない人に重責を負わせることになります。本人にとっても会社にとっても、良い結果になりません。

判断材料を揃える

親族内承継とM&Aを比較するには、自社がいくらで評価されるのかを知っておく必要があります。その金額を見たうえで、承継税制を使って残すのか、譲渡するのかを判断するのが順序です。

当社では、決めていない段階でのご相談を承っております。初回のご相談に費用はいただいておりません。なお、税制の適用可否については税理士のご確認が必要です。当社は連携する専門家をご紹介いたします。

この記事に出てくる用語

事業承継税制親族内承継税務

本コラムは一般的な情報の提供を目的としたものであり、個別の事案に対する助言ではありません。実際のご判断にあたっては、専門家にご相談ください。

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