月次決算がいつ締まるか。この一点で、その会社の経営管理の水準がかなり見えます。
翌月末を過ぎてから前月の数字が出てくる会社は、珍しくありません。しかしこれは、M&Aの場面で不利に働くことが多くあります。
なぜ評価に響くのか
意思決定が遅れているということ
2か月前の数字を見て判断しているということは、問題の発見が2か月遅れているということです。
買い手から見れば、「この会社は、異変に気づくのが遅い」という評価になります。事業計画の実現可能性を判断するうえで、これは大きな減点要因です。
数字の信頼性が疑われる
締めが遅い会社では、概算計上や期中の調整が多くなりがちです。デューデリジェンスで数字の根拠を求められたとき、説明できない項目が出てきます。
説明できない項目は、保守的に評価されます。
統合の負担が大きいと見られる
買収後、買い手は連結決算のために月次の数字を求めます。締めが遅い会社を傘下に入れると、グループ全体の決算スケジュールに影響します。
これは買収価格そのものではなく、買収の意思決定に影響します。
翌月15日を目標にする
精度を追求すると、いつまでも締まりません。まず速度を優先し、精度は後から上げるという順序が現実的です。
具体的には次のような手順です。
締め日を決めて宣言する:請求書の受領期限、経費精算の締め切りを社内に周知します。
概算で締める:金額が確定しない費用は、前月実績や契約額から概算計上し、確定後に差額を調整します。完璧を待たないことが要点です。
銀行残高と売掛・買掛だけは合わせる:この3つが合っていれば、月次の数字は経営判断に使えます。
在庫は簡易評価で構いません:実地棚卸は四半期や半期でよく、月次は理論在庫で回します。
数字が出た後に何をするか
締まっただけでは意味がありません。予算との差異を確認し、原因を特定し、打ち手を決めるところまでが月次決算です。
差異の確認は、社長と経理担当者だけで行うのではなく、各部門の責任者を交えて行います。数字に対する当事者意識が生まれます。
月次決算は、打ち手を決めるところまで
締まっただけでは意味がありません
買収後にも最初に着手します
当社がPMIで支援に入る際、最初に着手するのが月次決算の早期化です。
経営管理体制が整っていなければ、その後のどの施策も効果を測定できません。何をやっても、良くなったのか悪くなったのか分からない状態が続きます。
100日プランの中でも、優先度の高い項目として位置づけています。詳しくはバリューアップ支援をご覧ください。
