M&Aのご相談をいただくとき、多くの経営者が最初におっしゃるのが「まだ売ると決めたわけではないのですが」という言葉です。
申し訳なさそうに切り出される方もいらっしゃいますが、決めていない段階のご相談こそ、特に意味があります。
決めてから動くと、何が起きるか
売却を決意してから動き始めた場合、次のような順序になります。
- 支援会社を探す
- 会社の価値を知る
- 候補先を探す
- 条件を比較する
- 決める
一見すると自然な流れですが、ここには落とし穴があります。2の「会社の価値を知る」段階で、想定と大きく違う数字が出てくることが珍しくないのです。
想定より低ければ、そこから磨き直す時間が必要になります。しかし、すでに「売る」と決めて動き始めているため、時間的な余裕がありません。結果として、納得のいかない価格で進めるか、いったん中止するかの二択になってしまいます。
先に材料を持っておく
一方、決めていない段階でご相談いただいた場合はこうなります。
- 会社の価値を知る
- どのような相手先が考えられるかを知る
- 価値を上げるために何ができるかを知る
- そのうえで、動くかどうかを決める
このとき「今は動かない」という判断をされることも、当然あります。それで構いません。判断材料を持ったうえで動かないことと、材料がないまま動かないことは、まったく違います。
会社の価値を知るのは、決める前か後か
- 決めてから動く支援会社を探す → 価値を知る → 候補先 → 比較 → 決める
- 決める前に相談価値を知る → 相手先・上げる余地を知る → 動くかを決める
決めてから価値を知ると、想定と違っても磨き直す時間が残りにくくなります
実際にお伝えしていること
初回のご相談では、おおむね次のことをお話ししています。
- 直近3期の決算書から見た、現時点でのおおよその企業価値(確定的な企業価値評価ではなく、参考として簡易に算定した概算額です)
- 同業種・同規模の案件で、実際にどのような条件がついているか
- 貴社の場合、どのような買い手が考えられるか
- 価値を上げる余地があるとすれば、どこか
- 動くとしたら、どのくらいの期間がかかるか
ここまでで、費用はいただいておりません。この段階では、まだご契約の話もいたしません。
早く知るほど、打ち手が増える
企業価値を上げる施策には、時間がかかるものが少なくありません。
管理体制の整備、不採算部門の整理、属人化している業務の仕組み化。いずれも半年から数年を要します。これらは、売ると決めてからでは間に合わない類の打ち手です。
逆に言えば、3年前に知っていれば打てた手が、いくつもあるということです。
相談することのリスク
「相談したら、売るように誘導されるのではないか」というご懸念は、もっともだと思います。
当社では、仲介業務については完全成功報酬制をとっております。成約しなければ報酬は発生しません。この構造上、成約させたいという動機が働くことは事実です。だからこそ、その構造を最初に開示したうえでお話しするようにしています。
また、当社はセカンドオピニオンの取得を制限いたしません。他社の見解も聞いたうえでご判断いただくのが、健全だと考えています。
ご相談いただいた内容は、秘密保持を徹底のうえ取り扱います。従業員の方や取引先に知られることのないよう、十分に配慮して進めます。
まずは現状をお聞かせいただくところから、ご一緒させてください。
