M&Aの支援機関を比べるとき、多くの方がまず料率をご覧になります。ところが、多くの会社が同じ「レーマン方式」を採っているため、料率だけを見ても違いは分かりません。
実際の負担を左右するのは、料率の手前にある3つの点です。
① 料率を、何の金額に掛けるのか
レーマン方式は、取引の規模に応じて料率が下がっていく方式です。5億円以下の部分は5%、という形で計算します。
問題は、この料率を何の金額に掛けるかです。代表的な基準は2つあります。
- 株式の譲渡代金:株主が受け取る金額を基準とする
- 移動総資産:譲渡代金に、会社の負債を加えた金額を基準とする(加える負債を有利子負債に限る場合と、負債の総額とする場合があります)
成功報酬の基準の金額
移動総資産を基準とすると基準額は大きくなり、何を基準とするかで報酬額が変わります
たとえば、株式の譲渡代金が3億円、会社の有利子負債が2億円の場合を考えます。
| 基準 | 基準の金額 | 成功報酬(5%) |
|---|---|---|
| 株式の譲渡代金 | 3億円 | 1,500万円 |
| 移動総資産 | 5億円 | 2,500万円 |
同じ5%でも、報酬は1,000万円変わります。借入の多い会社ほど、この差は大きくなります。
どちらの基準が正しいというものではありませんが、ご自身の案件に当てはめるといくらになるのかを、契約の前に計算してもらうことが宜しいかと思います。
② 最低報酬額はいくらか
多くの支援機関は、成功報酬の下限となる最低報酬額を定めています。
譲渡価格が1億円の案件を、料率5%で計算すると500万円です。しかし、最低報酬額が仮に2,000万円であれば、支払う報酬は2,000万円となり、譲渡価格の2割に当たります。
小規模な案件では、料率ではなく最低報酬額が、実際の負担を決めることになります。
③ 成約しなかった場合に、戻らない費用はあるか
- 着手金:契約の時点で支払う。成約しなくても、通常は戻りません
- 中間金:基本合意などの節目で支払う。破談の場合の扱いは会社によって異なります
- 月額報酬:契約期間中、毎月支払う
これらが設定されていること自体は、支援機関が準備に手間をかけることの裏返しでもあり、一概に不利とはいえません。大切なのは、どの業務の対価であるかが説明されているかです。
比べるための5つの質問
支援機関と面談する際に、次の5つをお尋ねになると、条件を同じ物差しで比べられます。
- 成功報酬の基準は、譲渡代金と移動総資産のどちらでしょうか
- 当社の場合、成功報酬はおよそいくらになるでしょうか
- 最低報酬額はいくらでしょうか
- 成約しなかった場合に、返還されない費用はあるでしょうか
- 契約が終わった後に報酬が発生する期間(テール条項)は、どのくらいでしょうか
当社の場合
当社では、業務の性質に応じて報酬の体系を2つに分けています。
- 仲介業務:着手金・月額報酬はなく、完全成功報酬制です。最低成功報酬額は500万円です
- FA・コンサルティング業務:譲渡の準備や組織再編の支援など。着手金と月額報酬をいただき、成功報酬はありません
成功報酬の基準は、案件の規模に応じて、移動総資産とする場合と、株式譲渡代金などの取引金額とする場合があります。どちらを用いるかと、その場合の金額は、契約の前に書面でご説明します。
詳しくは料金・報酬体系のページに、料率の表と金額の例を掲載しています。
