買収後、システムをどうするか。この判断を誤ると、統合そのものが停滞します。
すべてを統合する必要はありません
買い手側が「グループ標準に合わせる」という方針を持っていることは多いのですが、基幹システムの統合には相当なコストと期間がかかります。
判断の基準は単純です。
統合すべきもの:会計、人事、そしてグループ全体で数字を見るために必要な仕組み。連結決算やガバナンスに直結するためです。
急がなくてよいもの:生産管理、在庫管理など、その事業に固有の業務システム。現場の生産性を支えているものを無理に変えると、混乱だけが生じます。
まず数字が見える状態を作る
100日プランで最初に着手するのは、月次決算の早期化と予実管理の仕組みです。
基幹システムを入れ替えなくても、数字を吸い上げる仕組みだけ作ることはできます。既存システムからデータを出力し、グループ標準の形式に変換します。この程度であれば、短期間で構築できます。
システム統合の判断は、数字が見えるようになってからで構いません。
買収後のシステムをどう扱うか
- 統合すべきもの会計、人事、グループで数字を見る仕組み(連結決算・ガバナンスに直結)
- 急がなくてよいもの生産管理・在庫管理など、事業に固有の業務システム
- まず作るもの数字を吸い上げる仕組み。既存システムのデータを標準の形式に変換
システム統合の判断は、数字が見えるようになってからで構いません
属人化した業務を可視化する
買収した会社では、業務手順が文書化されていないことがよくあります。「この処理はAさんしか分からない」という状態です。
ここでAIが有効に働きます。
担当者へのヒアリング内容を文字起こしし、手順書の形に整理する。従来は数週間を要した作業が、数日で形になります。完成度は7割程度ですが、たたき台があれば担当者が修正でき、ゼロから書いてもらうより負担がはるかに軽くなります。
業務が可視化されれば、どこを効率化すべきかも見えてきます。
現場の抵抗にどう向き合うか
新しい仕組みの導入は、現場から見れば仕事が増えることです。買収直後の不安な時期であれば、なおさら抵抗があります。
有効なのは、現場が困っていることから着手することです。
「毎月の集計作業に3日かかっている」「同じ内容を3つのシステムに入力している」。こうした負担を先に解消すると、次の提案が通りやすくなります。
買い手の都合で始めた施策は、なかなか定着しません。
自社で実装できること
当社はグループ内にエンジニア組織を保有しており、PMIの現場に入りながら実装まで担えます。
提案書を作る会社と、実装する会社と、現場を見る会社が分かれていると、意図が途中で失われます。同じチームが最後まで関与することの価値は、この領域で特に大きいと考えています。
